「この5ヶ月間ね、いろんなことがあったんだ」

その一言に大ちゃんが小さく反応する。



たくさん泣いた。

どうしたらいいのかわからなくて、現実逃避もした。

笑えなくなったこともあった。



「じゃあ…俺のこと忘れてた?」



─大ちゃんを忘れる?

そんなこと、ありえない。

あるわけがない。



「忘れてないよ。忘れるわけないじゃん」



絶対に忘れない。

大ちゃんを忘れた日なんて、1日もなかった。

大ちゃんを想った日々も

大ちゃんがくれた言葉も

絶対に、忘れない。



「そっか。よかった」



微笑んだ大ちゃんは、煙草を灰皿に押し付ける。



「俺もさ。菜摘のこと忘れた日なんてなかったよ」



本当に─?

菜摘バカだから信じちゃうよ。



「これからも、一生忘れない」



目を細め、菜摘の頭にそっと手を乗せる。

その笑顔はとても切なくて、優しくて



─…涙が溢れた。