部屋に入った瞬間、ベッドに倒れ込むと、また涙が溢れた。



もう終わりなんだね。

もう会えない。

ううん…会わない。

今度こそ、本当に終わり。



わかっていたことでしょう?

覚悟していたことでしょう?

それなのに、どうして涙が止まらないのかな。

それはとても簡単なこと。



大ちゃんへの

すごく
すごく

大きな気持ち。

2年間育ち続けた

とても
とても

抑えることなんてできない想い。



知らなかったな。

『愛してる』って、綺麗なことだと思っていたのに

こんなにも苦しい。



わかってた。

2人の未来。

でも―

『もう終わりにしよう』って、ふたりで決めたかった。

そんなことできないくせに、終わりを告げるのは自分だと思ってた。



違うね―

それができないから

それが怖かったから

本当に覚悟ができる瞬間まで待って欲しかった。



もう少しだけ。
もう少しだけ。

だって─

こんな終わり方だなんて、思っていなかったのに。



─『2度と関わらないで』─

1番言われたくなかった台詞を、1番言われたくなかった人に突き付けられた。

何よりも恐れていたことがこんなに突然訪れるなんて、思っていなかったのに。



菜摘が怖かったのは

大ちゃんを失うことだけだったのに…。