頭が真っ白になり、全身に冷や汗をかく。

慌てて宛先を確認すると、やっぱり大ちゃんだ。

大ちゃんの携帯から送ってるんだよね?

じゃあ、大ちゃんは?

隣にいるの?



こんなに混乱したのは初めてで、携帯を持ったまま呆然とする。



カーテンから差し込む光。

なんとか落ち着こうと、テーブルに手を伸ばす。

震える手で煙草に火をつけ、煙と一緒に大きく深呼吸をした。

そしてもう1度画面を見る。



《あたし全部知ってるから》



─『全部』って?

本当に全部知ってるの?



大ちゃんが彼女と別れる前にも会ってたし

キスも、セックスもした。

前にバレた時…中3の冬とは、あまりにも状況が違いすぎる。

本当に全て知ってるなら、逃げるわけにはいかない。



《わかりました。夜でいいですか?》



『自分が悪いから』なんて、そんな潔い気持ちじゃない。

こうなることなんて想像すらしたことがなかったし

謝罪するつもりだって、ちっともないんだから。



ただ、ある意味チャンスだと

決着をつけられると、そう思った。