ベッドの上で、裸のまま寄り添う2人。

服はいらない。

そんなものがあったら、体温を感じることができないから。



「痛かった?ごめんね」

手首のアザをさすりながら、大ちゃんは眉を八の字にした。

「痛くないよ」

いつの間にか首元につけられたキスマークも、手首のアザさえも愛しい。

菜摘はおかしいんだろうか。

「くっついてくんの珍しいね」

腕枕に頭を預け、しっかりと抱き付いていた。

「そうかな」

だって、いつ離れるかわからないじゃない。

一緒にいる時くらい、しっかりと繋がっていたい。

1ミリの隙間さえももどかしい。

「そういうとこ可愛い」

大ちゃんの手が、菜摘の前髪へと移動する。

初めて『可愛い』と言われた日から、大ちゃんはよく『可愛い』と言うようになった。

「菜摘はいつでも可愛いよ」

「はあ?殺すぞ」

『殺すぞ』なんて言いながら、可愛い顔して笑うんだ。



もし今、首を絞められたら

きっと、抵抗しないだろうな。

ただ、泣いちゃうだろうな─



「どした?寂しいの?」

大ちゃんが、きつく抱き締めるから

それ以上に、菜摘の胸が締め付けられる。

「…寂しいよ」

ずっと一緒にいたいの。

傍にいたいの。

寂しいよ─