大ちゃんはやっぱり黙り込んだまま。

少しのぼせたため、お風呂から出てバスローブを着る。

すると大ちゃんが口を開いた。

「…俺、自分勝手なのはわかってるけど…」

「…うん」

ソファーに腰掛け、いちご味の飴を頬張る。

大ちゃんの腕に手を絡め、肩に頭を預けた。



「菜摘とは切りたくない。俺…中途半端なことばっかして、こんなこと言える立場じゃないかもしんないけど。

菜摘がいなくなるなんて、考えられないんだよ…」



それが大ちゃんの答え?

嬉しいよ。

菜摘も大ちゃんと切りたくない。

大ちゃんがいなくなるなんて考えられない。



「菜摘もだよ。でもさ、こんな関係いつまでも続けられないよ。このままだったらどっちにしろ終わっちゃうんだよ」



切りたくない。

大ちゃんが好きだから。

でも苦しいだけじゃない。

独占したくなるじゃない。

縛られることを嫌うあなたを、束縛したくなる。

どんどんわがままになる。

そんなことできないって

しちゃいけないって、わかっているのに

それがもどかしくなる。

好きになればなるほど。

だから―

もう少しだけ、強がらせて。

物分かりのいい女を演じたかった。



大ちゃんを好きな気持ちは計り知れない。

底を尽きることがない。

どんどん好きになる。

だから苦しいんだ─