教室へ向かうと、いつもの3人に迎えられた。

「なっつおはよー」

「おはよ」

いつもと変わらない朝の風景だ。

理緒の隣に座った時─



「マジキモイんだけど」



─え?

急いで振り向くと、女の子が4人。

こっちを向いてはいないけど、たぶん─

「…なに?今うちらに言ったの?」

3人は驚きながら、女の子たちの後ろ姿を茫然と見る。

菜摘は俯いたまま何も言えずにいた。



だって、たぶん─

菜摘に言ったんだ。



「なんなの?意味わかんねぇ」

根拠なんてないけど

菜摘に言ったわけじゃないかもしれないけど─

4人が入って行った教室。

隆志の彼女のクラス。

会ったことも、見たことすらもないけど

あれはきっと、隆志の彼女。