翌日の登校中、珍しく隆志に会った。

本当にタイミングのいい奴だ。

「隆ちゃんおはよ。昨日あんたの彼女からメールきたんだけど」

「はっ?なんて!?」

さっそく切り出す。

敵だと認識した人には遠慮も容赦も一切しない。

やっぱり隆志は知らないんだ。

「死ねってさ。キモイとかウザイとか消えろとか」

「はあ…マジで」

信号で止まると隆志が俯いた。

…なんか、なんとなくだけど、勘だけど

隆志には心当たりがあると思う。

10年近く見てきたんだから、そんなのすぐにわかる。

「こら。なに隠してんの?言えよ」

おかしいと思ったんだ。

彼女と付き合い始めてから、隆志とはあまり一緒にいない。

隆志はクラスの女の子とも話してるし、菜摘にメールがくるなんて何か理由があるはず。



信号が青になると同時に、隆志が口を開いた。