それから大ちゃんとは、放課後、毎日のように会った。

暇さえあれば3人に協力してもらい、大ちゃんの部活姿を見に行く。



─彼女とはまだ続いてるみたいだ。



でも今は、ただ見ているだけでいい。

大ちゃんといつでも会える、見れる距離にいられるということが、充分幸せ。

でも大ちゃんは必ず話し掛けてくれた。



「菜摘、毎日のようにくるよね。誰かに惚れた?」

練習から抜け出してきた大ちゃんは、汗をかいているのに、しっかりと黒いジャージを着ている。

いつもの笑顔が悔しい。

菜摘が惚れてるのは大ちゃんだけなのに。

「帰っても暇だからさ。友達と残ってるだけだよ」

─大ちゃんに会いたいからきてるんだよ。

「そっかあ。でもあいつかっこよくない?2年なんだけど」

大ちゃんが指差した方向を見ると、確かにかっこいい人がいた。

「んー…まあかっこいいんじゃないっすか」

適当に、軽く答える。

だって大ちゃん以外の人になんて興味はないから。

…それなのに。