そっと、背中に手を回した。

…大ちゃんは、震えていた。



─『信じられるのは、菜摘だけだから』─



いつも笑っていて、優しい人だと思っていた。

けれど本当は

…とても寂しくて

とても孤独な人。

そう、思った。



やっぱり菜摘はおかしいのかな。

こんな時─

やっぱり大ちゃんを

“綺麗”だと感じる。



「菜摘は俺のこと信じてくれる?」

「あと1回だけね」

「また約束破ったら?」

「そんなの知らないよ」

「今度こそ嫌いになる?」



嫌いに─



「なれないよ。だからやめてね」



そっと体が離れ、顔を見合わせる。

大ちゃんは

ニッコリと、優しく微笑んだ。



ねぇ、大ちゃん。

信じたいよ。

信じさせてね…。