「う~ん。まずはアイツを優しく抱き締めてやってくんない?」


「抱き、しめる…?」


「うん、それが一番安心するはずだから。で、ちゃんと女王様の気持ちを伝えてあげて?」


「私の気持ちを伝える…?」





 どういうこと…?


 私の気持ち…?


 なんだろう?





「うん、女王様の彩人に対する気持ち。わかってるでしょ?」





 えっ…?


 そんなこと言われても…


「優しいし、綺麗だし、かわいいし、友達として好きだよ?」


 そう言った瞬間、翔流くんの顔が曇った。





 そして、呆れたように言った。



「・・・そうだった…女王様は鈍感だった。。」





 心底呆れた様子でこちらを見ている。


 しかも、眉間に指を当てたまま。





「あのー、私、なんか変なこと言ったかなー?」


「ううん…言ってない。でも、鈍感過ぎて呆れる。」


「さっきから、聞いてれば鈍感鈍感って!なんなのよ!」


「だって本当のことじゃん?自分の胸に手を当ててよくよく考えてみなよ。本当の気持ちがわかるからさ!」





 それから翔流くんは『全然話になんないから帰る』とのことで自分の教室に帰っていった。










 私の本当の気持ちってなんだろう…?


 友達として好きだよ?


 でも、そうじゃないって言うんでしょ?





 わかんないよ…