クリスマス一色に染まったフランス街を一人大学仲間が待つ店に向かって歩く。


 俺は高校卒業後、母親の祖国フランスに親の都合で移住した。


 移住するのは卒業する3か月前からわかっていたから、大学はこっちのほうを受けて、見事合格した。






 フランツとかどこだよ……


 ほぼこの国と同じ名前じゃねーか!


 大体この地図簡略化し過ぎてわかんねーよ……





「スバル!」



 ん?


 どこかから聞いたことのある声が俺を呼んでいたような気がする。



 不思議に思って、辺りを見渡した。





「スバル、こっち!」


「おぉ!ごめんな、ミラン。」


「いいよ。みんな待ってるから行こう」


「了解」





 ミランに案内されるまま、店に入って大学仲間のいる席についた。



「おそいよ、スバル」


「いや~、誰かさんの地図が大まかでわかんなかったんだ」


「大まかで悪かったわねっ!!」