「本当にありがとう!」


「いえいえ。困っている小夜さんを放ってはおけませんから。」


「ありがとう。助かります!……っ!?」





 柔らかく微笑んで、優しく口にキスをされた。





 きっと私が不安定な心理状況だから。





 最近気付いたけど、彩人くんは私が情緒不安定だと安心させるためにキスをしてくれる。





 そんなことで安定させられるわけないと思われるだろうけど、私は驚くほどに安心して安定する。





 まるでいないいないばぁをされて泣き止む赤ちゃんのように。










「頼りたいときは遠慮なんてせず、頼ってください。ボクは彼氏なんですから。」


「うん、ありがとう!」


「いつだってどこだって、ボクは駆けつけますから。それにどんな場合でも小夜さんの味方です」










 拝啓お母さん。


 私はなんともいい彼氏をもったようです!





 嬉しいことばかり言ってくれる彩人くん。





 いつか私もお返しができるかな…?