「やめてってばっ！」
「小夜さんに触れないでください。」
明らかに隣で不満げに紅月に文句を言う彩人くん。
「やだよ★今日くらい邪魔させてもらうもん♪」
「いい加減にしてください。しつこいですよ。」
なんだか、ふたりの間に火花が飛び交ってます………
彩人くん顔には出てないけど、目からすごく怒っているのがよくわかる。
対する紅月は顔も声もヘラヘラしてる。
かなり対照的なふたり。
「男の嫉妬は醜いなぁ～」
「何が言いたいんですか。」
「ん～、ようするに寛大な心を持てってことかな？」
「それとこれとは違います。大体、ひとの彼女に手を出すなんて性格が悪いですよ…?」
売り言葉に買い言葉でらちが明かない言い合い。
「あぁ、もう！紅月は離して！彩人くんは手繋いで行くよ！」
「やぁだ♪」
「はっ、はい。･･･今日は大胆ですね。」
「っ！！･･･そっ、そうでもないけどっ…?/////」
「ふっ…明らかに動揺してることがわかりますよっ。」
自分でもびっくりするほど大胆なことを言って、大胆なことをした………
「あのさぁ、オレいるんだけど…?」
「あ、ごめん。忘れてた。」
「酷くないっ!?」
私たちは言い合いをしながらも、仲良く(?)旅館に入っていった。
