だいぶ時間も過ぎ、体育祭を明日に控えた夜。





 自分の部屋で図書室で借りた本を読んでいると、あることを思い出した。










 そういえば最近、お父さんと話してないなぁ………



 話す前に顔さえ合わせてないし………





 でも、まぁしょうがないか!





 今仕事でいないし!





 実は、彩人くんに告白した次の日からお父さんは仕事の都合で海外に出張した。




 お父さんは実は世界的に有名なシェフ。



 世界的に認められるほどの腕前。



 しかも、顔が結構整っているからイケメンシェフとしても女性から絶大な支持を得ている。



 そのため、お父さんに彩人くんのことを何も言ってないし、ずっと顔も合わせてない。



 電話をすればいいのだろうけど、お互い予定が合わなくて、電話さえも通じない。





 そろそろ帰ってくるはずなんだけど…?





 仕事の都合というのも、コンテストがあるかららしい。





 『9月ごろに帰るね♪』とか言って出ていったから、たぶんそろそろ帰ってくるはず。





 長引いちゃってるのかな?





 まぁ、帰ってこなくていいけど♪



 いない方が楽だし!










 そうやって羽を伸ばしていると、私の部屋の扉がゆっくり開いた。










「小夜~っ!!!ただいま~っ!!!」