えっ?
あたしは目を見開く。
「いるよ、好きな人」
ズキン。
こころが、痛い。
苦しい。
「そ…なんだ…」
やっと出した返事がかすれた声だった。
「麻耶は?」
「えっ…あたしは…」
あたしは素直な気持ちを言った。
「わからないの」
「え?」
「これを恋と言っていいのか…わからないの」
「……」
「もし、これが恋だとわかったら、教えてあげるね?」
「わかった」
あれ、利希くんがちょっと悲しそうな顔したのは、気のせい?
「ごめんね、今日も送ってもらっちゃって」
「ううん、俺が送っていきたかっただけだし」
「じゃぁ、バイバイ」
「ん」
優しい笑顔を残して、利希くんは歩き出した。
