連れてこられたのは近くの駐車場。
そして……
「ベ、ベンツ……!」
しかもSLSクラスの……!
あたしは目の前にある黒光りする車を見て、後退りしそうになる。
「璃來ちゃん、乗って」
「あ、は、はいっ!」
こんな高級車…普通の人間なら手が届かないよね……。
「蒼介さん、凄いですね。こんな高級車乗ってるなんて……」
「ん?あぁ、これか。ちょっと趣味でさ。つい手が出ちゃって」
つ、ついって……。
あたしは彼の言葉に目が点になる。
彼の車に二人で乗り込み、シートベルトをする。
あぁ……初めて乗るよ、左ハンドルの外車。
「璃來ちゃん、カチカチになってるよ」
「えっ!?そ、そんなことないですっ!」
笑いながらそう言う蒼介さんに、あたしは顔を赤くする。

