黙ってしまったあたしに、彼は優しく微笑んで。 「ねぇ、君さ。名前はなんて言うの?」 あたしの目を黒曜石みたいに綺麗な瞳で見つめながら、そう口にする彼。 「美山璃來です。美しい山に、瑠璃色の璃に、倖田來未の來ですっ!」 いきなりそう自己紹介したあたしに、彼は再び優しく笑って。 「俺は佐田蒼介。よろしくね」 佐田蒼介さん。 彼は優しい笑みを浮かべながら、そう自己紹介してくれた。