住所のアパートはすぐに分かった。 

 迷った場合、直接お客に電話する手段もあるにはあるのだが、出来るならそれは避けたい。

 私は、邪魔にならないようにスクーターを停めると、荷台の料理を確認した。 

 よし、問題無しだ。  
 
 それではこれをちょちょっと・・・・

 私は料理に掛けられたラップを丁寧に剥がし、素早くちょちょっとすると、判らぬように元に戻した後、103号室のインターホンを押した。