翌朝、社長の出勤時間を見計らってロビーをうろついた。 


 案の定、私の姿を見つけた社長は「何をしているのか」と声を掛けてきた。 

 私達は夕食の約束を交わした。 

 レストランは会員制で、私など一生行けないであろう超高級店で、私達は、隠密の出入口から店内に入った。 

 電柱の陰から写真を撮る黒い姿に、私は社長の顔が写るようにと気を配った。