準備を終えたワゴン車は、今日の行き先である隣街へと向かった。繁華街から通りを一本外れた狭い路地に入り込んんだワゴン車は、器用な運転で、あるレンタル屋の駐車場の一角に車を停めた。 


「ここが今日の場所だよ。頑張ってね」

 木下は、馴れ馴れしくも私の肩をポンと叩いた後、荷台のほうに席を移動した。


「さあ、開店するよ。君は接客担当だから愛想良くしてね」