オオカミ少年。


「何だよ平山ー」

「最悪。ほんと、中田が隣の席になってからろくなことないんだけど!」

「うわ、またそういうこと言う。」


「はぁ、寄りによって数学の授業で……最悪ー、あの先生すっごい怖いじゃん。あたし苦手なんだよー。」

「平山、後ろに鬼が立ってるよ。」

「……え?」


鬼、というのは…まさか…

怖くて振り向けない。振り向いたらあたしの数学の成績が大変なことになる気がする。

ていうか、命の危機?


「嘘だけどね。」

「ちょっとほんとに殴るよ。」

「騙される平山が悪い!」


あーーー、ダメだ。

中田と話してたら体力使う。


「も…、いいから。早く職員室行こ」

「そーだな。」