顔から火が出るんじゃないかってくらい、熱が集中したのが分かった。

くっそ、間違えた!

あたしはてっきり中田だと思って!


「ここにサインお願いします」

「…はい」

顔が赤くなったあたしを見て、宅急便のお兄さんはクスッと笑う。


穴があったら入りたいんだけど。

荷物の宛名にはお母さんの名前が書いてある。お母さんのせいで、あたし今ものすごく恥ずかしいよ。

いや、中田のせいでもあるんだけど。


ていうかやっぱり、あれはあたしの聞き間違いか。よく考えてみれば変な話だもんね。


「ありがとうございます!」


来たときと同じ爽やかな笑顔を見せて、宅急便のお兄さんは爽やかに去っていった。

爽やかの塊だよ、ほんと。