「いいじゃん、俺平山からのチョコが欲しい。」 「はいはい。それいつも近寄ってくる女の子たちに言ってあげたら喜ぶんじゃない?」 そう言うと中田は少しムッとした。 そのまま黙って前を向く。 あれ、怒ったの? あの中田が? いつもあたしを怒らせてる中田が? ―キーンコーンカーンコーン… ちょうどチャイムが鳴って、それと同時に中田が席から立った。そのまま教室を出ていく。 うそ、ほんとに怒ってるよ。