オオカミ少年。


「平山が風邪引いた日。俺言ったよな。平山がいいなら、俺はいつでもこういうことしたいって。」

そういえば言ってた。


「うん、覚えてる。」

ベッドの上におろされると、視界には中田の顔と真っ白な天井が広がる。

あぁ、押し倒されてるのか。


「平山がいいなら、したい。」


付き合って3ヶ月。

高校生男子が付き合って3ヶ月も我慢するなんて、凄いことなのかもしれない。

それがあたしのためなんだと考えると、嬉しくてしょうがない。


「怖い?」

「…ううん、怖くない。」

怖くないよ、中田とだもん。

初めては全部中田がいいんだもん。


「無理してない?」

「うん、してない。」

中田の首に腕を回して、目を合わせた。心なしか、中田の顔が赤いような気がする。


中田も緊張してる?


「ヤバい、俺幸せ。」

「あははっ、何それ」


幸せそうに笑う中田の顔が近づいてくる。

―あたし、幸せ者だなぁ。

なんて思いながらそっと目を閉じた…

【END】