オオカミ少年。


「…そ、それはつまり…つ、使うか使わないかっていう話をしてるの…っ?」

噛みすぎて何言ってんのって感じだけど、今はそんなこと考えてる場合じゃない。


使う?

それってつまりつまり………そういうことなんだよね。そういうことなんだよね!!


「あ、いや、持って帰るか捨てるかって話だったんだけど…」


………は?

中田と目があった。


顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。ほんと、何言ってんのあたし。これじゃあまるで、あたしがしたいみたいじゃない。

そんなことないよ。

ただちょっと解釈の仕方を間違えちゃったっていうか、中田ならこう考えてるんじゃないかって思って…


「ごめん間違えた。今の忘れて。」

ポカーンとしていた中田はニヤリと笑ってあたしの体を軽々と持ち上げた。


「ちょっ…中田っ?」

お姫様抱っこなんて、さらに体の熱が上がってしまうのに、きっとわざとだよね。


「あのとき言ったこと覚えてる?」

「あのとき…?」