オオカミ少年。


邪魔だってことじゃない。むしろいてくれた方が心強いっていうか、安心できるんだけど…

それを上回るくらい、中田は心臓に悪い。


「…俺、邪魔?」

「いやっ、邪魔じゃないよ。邪魔じゃないけど、やっぱなんか余計に熱が上がっちゃうしさー…」

今日の中田は変だ。

いや、いつも変だけど。


「照れんなってー」

ほんとバカ。中田ってバカ。

「……あー、頭痛い…」

いつも変な中田が今日は更に変だから、調子狂うし頭痛いし熱上がりそうだし。


「やっぱ薬飲んだ方が良さそうだな。」

辛そうなあたしを見てか、中田は急に心配そうにあたしを見つめて薬を取り出す。

いつもふざけてばかりの中田の真剣な表情は、ほんとに心臓に悪い。別人みたいで調子狂う。


「とりあえずゼリー食って。」

「うん…」

何だかんだ心配してくれてるんだろうなぁ。

学校抜け出して来ちゃうくらいだし、ゼリーも飲み物もバカみたいにたくさん買ってきちゃうし。

「ごめんね、わざわざ来てもらったのに…」

「何が?」

「構ってあげられなくてさー。」