現在主さまが率いている百鬼たちは、ほぼ潭月から引き継いだ百鬼たちだ。
ただ後継となった主さまに対して従うべき器ではないと判断された場合、後継時にのみ離脱することが許される。
百鬼たちは1匹1匹が大妖で、以前は暴れ回ったこともある者も居るが、百鬼の契約を行えば鉄の掟を守らなければならない。
潭月の代の時は意外と緩かったので、主さまに代が移った時――それはもう最初は反発が起きたものだ。
だが主さまは表情ひとつ変えずに掟を守らせてきた。
そして主さまの実力を百鬼たちも認めざるを得ず、潭月の百鬼は完全に主さまの百鬼となった。
「先代!お久しぶりです!」
「ああ、達者にやっているようだな。どうだ十六夜は」
「主さまですか?最近ちょっと優しくなったっていうか…いや、怖いのは怖いですけど、息吹が来てから変わりましたよ。女ってのはすごいねえ」
潭月が庭に現れると、息吹に群がっていた百鬼たちが直立不動になって頭を下げた。
本人はゆったりとした足取りで縁側に座っていた息吹の隣に座り、ぐりぐりと頭を撫でて馴れ馴れしく肩を抱いたので、額を擦っていた主さまの表情が険しくなる。
「息吹姫のように可憐な嫁を貰えば変わらない方がおかしいだろう。ちなみに周も新婚の時は…」
「余計なことを話すな。簪で喉を貫かれたいか」
猫のような足取りで潭月の背後に立って首に簪を突きつけた周が現れると、百鬼たちは愛想笑いを浮かべながらそろそろと後ずさりをして息吹に手を振る。
「じゃあ息吹、またな。じゃじゃ馬を出して怪我したりするなよ」
「うん。みんな行ってらっしゃい」
そう送り出したものの、主さまの隣に銀が立っているのを見つけた息吹は、ぴょこぴょこ揺れている尻尾を見てごくりと喉を鳴らし、ふらふらしながら銀に近寄っていきなり尻尾を鷲掴みにした。
「おお、なんだ息吹。どうした?」
「銀さん、今日も素敵な尻尾!幽玄町に帰ったらいっぱい触らせてね」
「この助平め。そんなに俺を触りたいのならば、どうだ近いうち2人きりで…」
「…殺されたいのか?」
主さまの低い声にわざとらしく肩を竦めた銀は、長い尻尾を奪い返して主さまと共に空を駆け上がる。
百鬼たちも慌ててそれに続き、見送った息吹は彼らが見えなくなるまで手を振って見送った後、潭月と周に身体を向けてにっこり笑った。
「主さまの小さかった頃のお話聞かせて下さい」
さらなる主さまの弱点を見つけるために。
ただ後継となった主さまに対して従うべき器ではないと判断された場合、後継時にのみ離脱することが許される。
百鬼たちは1匹1匹が大妖で、以前は暴れ回ったこともある者も居るが、百鬼の契約を行えば鉄の掟を守らなければならない。
潭月の代の時は意外と緩かったので、主さまに代が移った時――それはもう最初は反発が起きたものだ。
だが主さまは表情ひとつ変えずに掟を守らせてきた。
そして主さまの実力を百鬼たちも認めざるを得ず、潭月の百鬼は完全に主さまの百鬼となった。
「先代!お久しぶりです!」
「ああ、達者にやっているようだな。どうだ十六夜は」
「主さまですか?最近ちょっと優しくなったっていうか…いや、怖いのは怖いですけど、息吹が来てから変わりましたよ。女ってのはすごいねえ」
潭月が庭に現れると、息吹に群がっていた百鬼たちが直立不動になって頭を下げた。
本人はゆったりとした足取りで縁側に座っていた息吹の隣に座り、ぐりぐりと頭を撫でて馴れ馴れしく肩を抱いたので、額を擦っていた主さまの表情が険しくなる。
「息吹姫のように可憐な嫁を貰えば変わらない方がおかしいだろう。ちなみに周も新婚の時は…」
「余計なことを話すな。簪で喉を貫かれたいか」
猫のような足取りで潭月の背後に立って首に簪を突きつけた周が現れると、百鬼たちは愛想笑いを浮かべながらそろそろと後ずさりをして息吹に手を振る。
「じゃあ息吹、またな。じゃじゃ馬を出して怪我したりするなよ」
「うん。みんな行ってらっしゃい」
そう送り出したものの、主さまの隣に銀が立っているのを見つけた息吹は、ぴょこぴょこ揺れている尻尾を見てごくりと喉を鳴らし、ふらふらしながら銀に近寄っていきなり尻尾を鷲掴みにした。
「おお、なんだ息吹。どうした?」
「銀さん、今日も素敵な尻尾!幽玄町に帰ったらいっぱい触らせてね」
「この助平め。そんなに俺を触りたいのならば、どうだ近いうち2人きりで…」
「…殺されたいのか?」
主さまの低い声にわざとらしく肩を竦めた銀は、長い尻尾を奪い返して主さまと共に空を駆け上がる。
百鬼たちも慌ててそれに続き、見送った息吹は彼らが見えなくなるまで手を振って見送った後、潭月と周に身体を向けてにっこり笑った。
「主さまの小さかった頃のお話聞かせて下さい」
さらなる主さまの弱点を見つけるために。

