息吹は自身の体形に絶望を感じていた。
それほどに周の体形が異常にめりはりがあり、出るところはこれでもかと言わんばかりに出て、引っ込むべきところは思いきりひっこんでいる。
周が一体何年生きているのかわからないが、恐らく成長が止まってしまったであろう胸を見下ろした息吹は、がっかりさ満載でため息をついた。
主さまは今までどれほど女遊びをしてきたのか知らないが、少なくともこんな貧弱な身体には満足していないかもしれない。
そして主さまを満足させることができているのかと言われたら――
「私…主さまを幸せにできているか心配なんです。…こんな貧相な身体だし」
「十六夜がか。少なくともわたくしの目にはあの子は安らいでいるように見えるが。…どれ」
「え?きゃ、きゃぁーっ!お、お義母様っ、何するんですかっ」
背後に回り込んだ周がいきなり胸を鷲掴みにしてきたので甲高い悲鳴を上げてしまって慌てて口を押さえると、周はしばらく触り続けた挙句、やっと離してくれた。
「男の手に収まる大きさがちょうど良い。大きすぎると肩が凝って仕方ないのじゃ」
「そんな台詞言ってみたいです…。お義母様、お背中流しますね」
少し熱めのお湯で茹ってしまいそうだったので洗い場に上がると、周の絹のようでしとやかな肌を石鹸で泡立てた手拭いで擦りながら、つい頬を赤らめた。
女の自分から見てもぐらぐらしてしまうのだから、主さまはこんな美男美女の両親に育てられて美的感覚が狂っているのかもしれないと思ってしまう。
「そなたは先ほどから不安を口にしてばかりじゃが、あの子は妥協など一切せぬ子じゃ。成人の歳にはそれなりに女遊びはしていたが、これと決めた女は居なかった。己を卑下せずに胸を張りなさい。…まあ、胸を張ってもさほど変わらぬ大きさじゃが」
「お義母様ひどいっ!えいっ、私も触っちゃうもん!!」
――本来他人に肌を触られるなどまっぴらな周だったが、何故か息吹には心を許してしまって先程自分がしたように息吹に胸を鷲掴みされると、急に面白くなってやり返した。
温泉からは甲高い笑い声と悲鳴が入り乱れ、すぐ近くで番をしていた潭月は、周が珍しくはしゃいでいる様子にまた目を丸くして肩を竦めた。
「あの娘、やるな」
だからこそ、主さまもやられたのだろう。
それほどに周の体形が異常にめりはりがあり、出るところはこれでもかと言わんばかりに出て、引っ込むべきところは思いきりひっこんでいる。
周が一体何年生きているのかわからないが、恐らく成長が止まってしまったであろう胸を見下ろした息吹は、がっかりさ満載でため息をついた。
主さまは今までどれほど女遊びをしてきたのか知らないが、少なくともこんな貧弱な身体には満足していないかもしれない。
そして主さまを満足させることができているのかと言われたら――
「私…主さまを幸せにできているか心配なんです。…こんな貧相な身体だし」
「十六夜がか。少なくともわたくしの目にはあの子は安らいでいるように見えるが。…どれ」
「え?きゃ、きゃぁーっ!お、お義母様っ、何するんですかっ」
背後に回り込んだ周がいきなり胸を鷲掴みにしてきたので甲高い悲鳴を上げてしまって慌てて口を押さえると、周はしばらく触り続けた挙句、やっと離してくれた。
「男の手に収まる大きさがちょうど良い。大きすぎると肩が凝って仕方ないのじゃ」
「そんな台詞言ってみたいです…。お義母様、お背中流しますね」
少し熱めのお湯で茹ってしまいそうだったので洗い場に上がると、周の絹のようでしとやかな肌を石鹸で泡立てた手拭いで擦りながら、つい頬を赤らめた。
女の自分から見てもぐらぐらしてしまうのだから、主さまはこんな美男美女の両親に育てられて美的感覚が狂っているのかもしれないと思ってしまう。
「そなたは先ほどから不安を口にしてばかりじゃが、あの子は妥協など一切せぬ子じゃ。成人の歳にはそれなりに女遊びはしていたが、これと決めた女は居なかった。己を卑下せずに胸を張りなさい。…まあ、胸を張ってもさほど変わらぬ大きさじゃが」
「お義母様ひどいっ!えいっ、私も触っちゃうもん!!」
――本来他人に肌を触られるなどまっぴらな周だったが、何故か息吹には心を許してしまって先程自分がしたように息吹に胸を鷲掴みされると、急に面白くなってやり返した。
温泉からは甲高い笑い声と悲鳴が入り乱れ、すぐ近くで番をしていた潭月は、周が珍しくはしゃいでいる様子にまた目を丸くして肩を竦めた。
「あの娘、やるな」
だからこそ、主さまもやられたのだろう。

