それからというものの、晴明と山姫は何かしら様子がおかしかった。
息吹は主さまの屋敷に戻っていつものように暮らして、毎日地主神の祠に通ってお参りをする――
夜には主さまを送り出して早朝出迎えをした後少し一緒に寝て、人として朝陽を浴びて日中起きて暮らすという生活。
それを続けている間、ひとつだけ気がかりな問題が頭を離れなかった。
「ねえ母様」
「なんだい?今あたしゃ忙しいんだけど」
「すぐ済むから。私がここに戻って来てどの位経つっけ?」
「1ケ月位かねえ。それがどうしたんだい?」
「まだ月のものが来ないんだけど。私病気なのかなあ?」
「!ま…まだ来てないのかい!?あんた…あんたそれは……」
――桐の箪笥を乾拭きしていた山姫の手から雑巾がぽろりと落ちた。
息吹は晴明が毎日通って来ては毎日何かしら買って来るので、今日は葛餅を食べながら何気なく発した一言で山姫が動揺したので、目を丸くしてにじり寄る。
「え?な、なに?」
「もう我慢できない!この際白黒はっきりつけようじゃないか!」
「え?え!?は、母様っ?」
赤茶の髪を振り乱して首を振る山姫の手をぎゅっと握った息吹は、引きずられるようにして夫婦共同の部屋で寝ている主さまを起こすために襖の前で呼びかけた。
「主さま!薬師を呼びますから起きて下さい!」
「……なに…?医者…?…………息吹が病に罹ったのか!?」
どたばたと音がした後すぐに襖が開き、取り乱した様子の主さまが現れると息吹も意味がわからずあわあわ。
「ちょ、母様?私病気なんかじゃ…」
「あたしの勘違いならそれでいいし怒られる覚悟はできてる。息吹…あんた、妊娠してるんじゃないのかい?」
「…………え?」
主さまと息吹が顔を見合わせて固まってしまった。
こういう大事な時に少し席を外して居ない晴明を内心詰りながらも山姫は決意を変えなかった。
「もう2か月も月のものが来てない…精神的なものならまだいいけど、妊娠してるのならちゃんと調べないと。主さま…いいですね?薬師を呼びますからね?」
子が…出来た?
主さまと息吹は何が何だかわからないまま、山姫の勢いに気圧されてかくかく頷いた。
息吹は主さまの屋敷に戻っていつものように暮らして、毎日地主神の祠に通ってお参りをする――
夜には主さまを送り出して早朝出迎えをした後少し一緒に寝て、人として朝陽を浴びて日中起きて暮らすという生活。
それを続けている間、ひとつだけ気がかりな問題が頭を離れなかった。
「ねえ母様」
「なんだい?今あたしゃ忙しいんだけど」
「すぐ済むから。私がここに戻って来てどの位経つっけ?」
「1ケ月位かねえ。それがどうしたんだい?」
「まだ月のものが来ないんだけど。私病気なのかなあ?」
「!ま…まだ来てないのかい!?あんた…あんたそれは……」
――桐の箪笥を乾拭きしていた山姫の手から雑巾がぽろりと落ちた。
息吹は晴明が毎日通って来ては毎日何かしら買って来るので、今日は葛餅を食べながら何気なく発した一言で山姫が動揺したので、目を丸くしてにじり寄る。
「え?な、なに?」
「もう我慢できない!この際白黒はっきりつけようじゃないか!」
「え?え!?は、母様っ?」
赤茶の髪を振り乱して首を振る山姫の手をぎゅっと握った息吹は、引きずられるようにして夫婦共同の部屋で寝ている主さまを起こすために襖の前で呼びかけた。
「主さま!薬師を呼びますから起きて下さい!」
「……なに…?医者…?…………息吹が病に罹ったのか!?」
どたばたと音がした後すぐに襖が開き、取り乱した様子の主さまが現れると息吹も意味がわからずあわあわ。
「ちょ、母様?私病気なんかじゃ…」
「あたしの勘違いならそれでいいし怒られる覚悟はできてる。息吹…あんた、妊娠してるんじゃないのかい?」
「…………え?」
主さまと息吹が顔を見合わせて固まってしまった。
こういう大事な時に少し席を外して居ない晴明を内心詰りながらも山姫は決意を変えなかった。
「もう2か月も月のものが来てない…精神的なものならまだいいけど、妊娠してるのならちゃんと調べないと。主さま…いいですね?薬師を呼びますからね?」
子が…出来た?
主さまと息吹は何が何だかわからないまま、山姫の勢いに気圧されてかくかく頷いた。

