「別に重くないよ」
軽く微笑む先生はあたしに、コーヒーのカップを渡した。
『先生…あたし、コーヒーのめない』
せっかく、先生があたしにくれたのにぃ…
コーヒーのめないなんて…
ただのお子様じゃん…
ばかばかっっ…
先生は、さっき以上に笑った。
目がすっごく細くなって顔がちょっとくしゃってなって。
可愛いの。
滅多に見せない、この顔もあたしは大好き。
「知ってるよ」
ぇ?
じゃあなんで?
先生の、言ってる意味がよくわかんない。
あたしの方に近づいてきた先生は、ベッドに座った。
手を伸ばし、コーヒーを差し出した。
だから…飲めないのにぃ…
いじわるぅ…
と、思いながらもカップを、受け取ったあたし。

