海賊王子ヒースコート


(後ろを向いてて欲しいのですが…)


言いだしにくい。

何たって、相手は海賊なのだ。

自分が一つでも愚かな言動をすれば、未来が真っ暗になるかもしれない。



そんな彼女の葛藤に気づいたのか、ヒースコートは小さく咳ばらいをしてから出入り口のドアに手をかけた。


「俺は用事があるから、ちょっと出てく。それに…レディーの邪魔しちゃ悪いしな」


意外と紳士的な彼にアイリーンは面食らった。


(あれ?あれ!?海賊って、もっと乱暴な方ばかりだと思っていたのですが…!?)

確かに船長は恐かったけれど。


(荒れた方ばかりではないのですね)