「なぁ、この前俺達と飲んだときにお前が連れてきた髪の長い女の子って、恋人だよな?」


一服終えた同僚が缶コーヒーをぐびぐび飲みながら聞いてくるけど、僕は直ぐに返事を返せそうになく上司に視線を向けた。


僕と目があった途端、苦笑し煙草の煙を同僚に吹き掛けそして吸い込んで一緒に噎せている。


上司はなぜか動揺しているみたいだ。



ゲホゲホと噎せる二人に、

「恋人はいませんよ」

と答えると上司が真っ先に、

「あの髪の短い女といつ別れたんだ! 別れたんなら、オレがあの女と付き合いたい」

と襲いかかりそうな勢いで僕の肩をガシッと掴み言ってくる。


「だ、だったら、俺、あの髪の長い女の子とデートしたい。なぁ、いいよな?」


今度は同僚が瞳を輝かしながら、まるで犬のように飛びかかってきた。



二人とも発情期かな



「………恋人と変わらない付き合いを彼女達としてますけど、それでもいいなら彼女達がどうするか聞いてみてください。いつ会います?」


「はあぁ!?」


二人同時に間抜けな声を上げ僕を見た。





やっぱり……

今まで聞いてきた人達と、同じ反応を示すんだね。