犯罪コレクターの独白

珠希の入学式当日、午前二時。

家族が寝静まったことを確認する。


家に誰かがいる状態で外へ出たことはなかったので、そろそろと足音を忍ばせ、私は家を飛び出した。

あまりにも心臓がどきどきとうるさいので、手にしていたものを危うく落としそうになった程だ。


今度の目的地までは、約十分だ。