犯罪コレクターの独白

コンコン、と自室のドアがノックされる。

私は本を読んでいた振りをして、母を迎え入れた。

「秀俊、今からお父さんと電気屋に行ってくるから、留守番を頼んでいい?」

「うん。そういえば、珠希は?」

「幼稚園の友達と遊びに行っているの」

全く、私とは正反対だ。

尤も、五歳の誕生日に別所さんから話を聞いて以来、家族皆が外出すると、家を飛び出すことがしばしばあった。

目的はただ一つ。

罪を、犯すためだ。