犯罪コレクターの独白

「だから、今まで通り過ごしてくれればいいんだ。もし、外出することがあっても、秀俊君が透明人間だ、と判明する可能性は低いだろうしね」

「はい」


そういえば、両親と珠希が祖父母宅に行く時も、私は留守番だった。

一方、祖父母が我が家に来たことは今だにない。

私達の家と離れているので、長旅嫌いの両祖父母は訪れたことがなかったのだ。

現在の状況からすると、それは幸運だったのだろう。


「そして、最後は……」

ゴホッ、と別所さんは咳払いをした。