犯罪コレクターの独白

「でも、なぜ、僕は透明人間なのに、家族には姿が見えるの?」

別所さんの眉間に縦皺が刻まれる。

「そう聞かれてもね。申し訳ないけれども、これは透明人間の国の王様がお決めなさったことだから」

「分かったよ」

これ以上何かを問い質してみても、生まれるのは『絶望』だけだ。

私は別所さん宅を後にしよう、と決めた。


「ありがとう。もう、帰るよ」

「ちょっと待って、秀俊君」

だが、そう安易に事は運ばない。