暫くして、王様が話を続けた。
「さっき見た紺色のマフラー……あれは、雅恵が妊娠中、剛志のために編んだものだ。二人は幸せだった、あの頃は」
そこでさすがにつらくなったのか、王様は目を伏せる。
「定期健診で子供が男の子だ、と知った二人は、名前を決めた。両親から一字ずつ取って、『雅志』だ」
『マサシ……』
父の不倫相手宅に放火した夜、別所さんが漏らした寝言を思い出す。
「さっき見た紺色のマフラー……あれは、雅恵が妊娠中、剛志のために編んだものだ。二人は幸せだった、あの頃は」
そこでさすがにつらくなったのか、王様は目を伏せる。
「定期健診で子供が男の子だ、と知った二人は、名前を決めた。両親から一字ずつ取って、『雅志』だ」
『マサシ……』
父の不倫相手宅に放火した夜、別所さんが漏らした寝言を思い出す。



