犯罪コレクターの独白

「五年前の四月三日、透明人間の国で一つの生命が誕生した」

穏やかな瞳が私に向けられる。

その目は我が子に向けられるもののようで、こそばゆさを感じた私は、視線を落とした。

「透明人間の国の王様は当時、透明人間が不足していた日本の関東地方にその生命を派遣しよう、と考えなさったんだ」

「それで……」

「私に任務が回ってきたんだ。なかなか残酷な任務だよ」

別所さんは溜め息を一つ、落とした。