――ゴミ山が、街を陣取っている。

ゴミのように、ごちゃごちゃと建てられた家々。

私の実家も、その中に埋もれているはずだ。


剥かれたりんごの皮や、枯れて茶色く変色した花のような屋根。

また、メタリック色のビルは、私が好んでいる炭酸飲料の空き缶を彷彿させる。

灰色に近い色に薄汚れた、珠希が通っていた小学校の屋上は、埃を被った古本みたいだ。

――この街は、ゴミだらけなのだ。