犯罪コレクターの独白

が、別所さんの家は殆ど書類が占有している、という事実しか分からなかった。


「凄い書類の量……」

「これが私の役割だからね」

飄々と言ってのける別所さん。

この人なら自分を簡単にだませそうだ、と思ってしまう。

もしかすると、別所さんが私をからかうためにここまで連れて来られたのかもしれない。

自分を透明人間だと認めたくなかった。

私は、賭けてみることにした。