犯罪コレクターの独白

「……あと百万ぐらい。それまではバイト、頑張るよ」

法子は、複雑そうな表情になった。

「それなら、高そうな指輪をプレゼントしてくれなくても良かったのに」

「何言ってるんだよ。夢より、今は法子のほうが大事なんだよ」

「そう……」


帰り際、葛藤しているような法子を目にした『名護秀俊』は、小さくガッツポーズをしていた。