犯罪コレクターの独白

「子供のうちは、『普通』の人間と透明人間は区別できないぐらいだから」

「はあ」

「でも、或る年齢に達すると、透明人間としての証が与えられる。何歳になってからだと思う?」

それまで生返事だったから、私の思考は止まったままだ。

「ああ……ええと、二十歳?」

「それは人間の選挙権と同じだね」

どうして別所さんは平然としていられるのだろう。

同じ透明人間として、異次元の存在のように感じられた。

「十五歳だよ」

「はあ」