犯罪コレクターの独白

「ごめん。ちょっと散らかっているけれど」

確かに、部屋の中は書類のようなもので溢れ返っていた。

完璧主義のような人だ、と感じていた私はほっとする。

この人も、『普通』の人間なのかもしれない、と。

「ああ、私はこういう者だからね」

散乱した書類の余白部分に、ベッショさんは文字を書いて見せた。


『別所剛志』

『べっしょ つよし』と振り仮名付きだったのが、ありがたい。

「僕はどうしてここへ?」

私の質問に、別所さんは若干表情を歪めた。