二月下旬の夜。
家族が寝静まり、まず私は透明人間として、持ち物を携え、外へ飛び出した。
はらはら、と白い桜が舞っている。
違う。
――雪だ。
頬にひんやりとした冷たさが伝わる。
無数の白い欠片を、両手で受け止める。
ふわっと着地したものの、すぐに溶けてしまう。
美しいが、儚い。
家族が寝静まり、まず私は透明人間として、持ち物を携え、外へ飛び出した。
はらはら、と白い桜が舞っている。
違う。
――雪だ。
頬にひんやりとした冷たさが伝わる。
無数の白い欠片を、両手で受け止める。
ふわっと着地したものの、すぐに溶けてしまう。
美しいが、儚い。



