犯罪コレクターの独白

「家にはいたくないんですけど、だからといって僕になす術はないんです」

その日も、私は悩みを打ち明けていた。

黙って耳を傾けてくれていた別所さんが、唐突に口を開く。

「それなら、この家で暮らす?」

もぞもぞと体内の物質が動き出したみたいだった。

「でも……迷惑じゃないですか?」

ぶつぶつと呟くような私に、別所さんはわざと寂しそうな声を出す。

「考えてみれば、中年男の一人暮らしも悲しいものなんだよ」