犯罪コレクターの独白

「だってお兄ちゃんだって頑張ってるから、私もふがいない結果だったら嫌だ、と思って」

珠希は真っ直ぐな心を持っている。

佳波への愛が詰まっていた心が空っぽになった現在、生きている証として、犯罪を集めようとしている私とは対照的だ。

「いいこと言ってくれるな、それじゃあ」

私は、三階の自室へと向かった。


心にぽっかりとできた空間を、犯罪で埋めようとする者。

情けないが、それが私なのだ。