犯罪コレクターの独白

いつもは窓の外から眺めていた空を、直接見ることができる。

その薄い青に描かれた白は、母が縫いぐるみを作る時に用いる、綿にそっくりだった。


桃色の欠片が、はらはらと降り注いでくる。

「これ、何?」

「桜っていう花なの」


意外と早く、目的地に到着したのか、母は或る家の前で立ち止まった。

「秀俊、この家が見える?」

随分と奇妙なことを問い掛けてくるものだ。

そう思いつつも、私は頷いた。