犯罪コレクターの独白

五歳の誕生日の朝、突然母が私に言った。

「秀俊、今日は初めてお出掛けしない?」

「ええ? でも、僕は身体が弱いから、外に出られないんじゃ……」


実際、五年間病弱だと言い聞かされてきた割に、病院通いはしていなかった。

だから、私は生まれてから一度も外の世界へ出たことがなかったのだ。

「体調も良くなってきたから大丈夫。外には出たくないの? 私も近くまで行こうか、と思っていたのに」

残念そうに、母が口にした。

母も一緒に、という言葉を聞いた途端、頭の中が急速に回転し始める。