一度だけ一緒に帰った。 部活を引退してからは、バスケで有名な桜ヶ丘高校へ入るために猛勉強し始めた。 放課後は毎日図書室で勉強していた。 あの日はたまたまだった。 いつもより帰るのが遅くなってしまったせいで、降りだしてしまった雨。 朝は快晴だったんだ。 だから…… 傘なんて持ってこなかった。 そんな時に、昇降口で靴を履きかえているキミを見つけた。 高鳴る胸を押さえながら、声をかけた。