どうにかヘアアイロンで寝癖を直した私は、玲と連れ立って登校する。
中高一貫校である為、この時間帯は人が異様に多い。
駅から溢れた学生達の波に流されるように高等部校舎に向かう。
正面口を入ると、ちょうど親友の遊佐が靴を履き変えているところだった。
「遊佐ちゃん、おはよう」
声をかけると、長いポニーテールを揺らしながら遊佐が振り向く。
「朔、おはよう。あら、今日もナイト君がくっついてるのね」
「いけないかな?朔とは近所だし」
遊佐が私の隣にいる玲を見て目を細める。
玲は余裕の表情で微笑み返す。
なぜか分からないが、この二人は何となく仲が悪い。

